天までとどけの定子が好きな和歌【山上憶良】
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「天までとどけ」では、各シリーズを通してドラマのなかでも和歌が度々登場します。
母・定子が俳句を始めたり(シリーズ6)、雄平も偉人の言葉を家族に伝える場面があったり、俳句や和歌や格言などの台詞がカットの中に入っていることも多いです。
目次
天までとどけのドラマにぴったりの山上憶良の和歌
特に、天までとどけのドラマの中で度々登場するのが、山上憶良の反歌。
ドラマの中で定子と雄平が歌を詠みあうシーンがあったり、何より最終シリーズとなった「天までとどけ8」の最終話の弥三郎岳での回想でも山上憶良の歌が詠まれます。
山上憶良の「子等を思ふ歌」の歌
瓜食(は)めば 子ども思ほゆ 栗食(は)めば まして偲(しぬ)はゆ
いづくより 来たりしものぞ まなかひに もとなかかりて 安眠(やすい)し寝(な)さぬ
日本の古今和歌集の一つである「万葉集」に収められています。
「瓜を食べると子供が懐かしく思い出されたり、栗を食べるとなおさら愛しく思えたり、瓜や栗といった旬の食べ物を口にした時に子供の顔が目に浮かんでくる」という意味の歌です。
“親が子供を思う気持ちの普遍性”が詠われていて、そんな愛しく思える気持ちは一体どこから来ているのかと親子の絆を思索しながら、我が子への思いが強すぎてなかなか寝付けないという親心の深さを謳っています。
PARA
まさに「天までとどけ」の定子にぴったりの言葉ですよね。
山上憶良の「子等を思ふ歌」の反歌(短歌)
銀(しろかね)も 金(くがね)も玉も 何せむに まされる宝 子にしかめやも
上で紹介した「子等を思ふ歌」の反歌(短歌)です。
- 反歌とは?
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反歌とは、長歌の後に詠まれる短い歌のこと。長歌の内容を要約したり、別の角度から詠み込んだりすることが一般的です。
「瓜食めば~」の長歌で表現された深い親子の愛情を、より簡潔に言い表しています。
意味はそのままで、「金銀財宝よりも子供という存在が何よりもこの世で一番の宝物だ」という意味です。